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原発性アルドステロン症患者による、忘れたくない日常を、照らしつづけるための手記。
入院記録

副腎静脈サンプリング(AVS)検査入院~後編~*原発性アルドステロン症患者の日々*

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☻前回の続きです。


副腎静脈サンプリング(AVS)の時のことや概要など少し書いていきます。


***


○概要○


副腎静脈サンプリングとは、副腎静脈から血液を採取する(サンプリング)検査です。


検査は原発性アルドステロン症と確定診断された方に、


アルドステロンが左右のどちらから主に分泌されているか(局在診断)を明らかにする目的で行います。


本検査では、足の付け根の静脈からカテーテルと呼ばれる細い管を入れて、


副腎で作られたアルドステロンの出口である左右の副腎静脈にカテーテルを挿入し行います。


原発性アルドステロン症では多くの場合、左右どちらか片側に線腫があることが多く、


本検査でそれらが確認された時は、アルドステロンを過剰に作っている片側の副腎を


手術で摘出することが薦められます。


一方、左右の副腎の両側ともがアルドステロンを過剰に作っていると判定された時には、


手術の適応ではなく、薬物療法でアルドステロンの作用をおさえていく治療が行われます。


したがって、本検査は手術を行うか否かを決定するために非常に重要な検査になります。


所要時間は1.5~3時間 (私は1.5時間で終了しました)


○検査を受ける前に○


・造影剤アレルギー・気管支喘息の既往・腎機能障害がある方は原則として行いません。


・本検査は、片側の副腎からアルドステロンの過剰産生が確認された時に、


手術を行う前提がある場合に行うので、


手術ができない方、手術を希望されない方では行いません。


・両側の太ももの付け根の静脈に針を刺すため、前日に入院して


腹部・陰部・大腿部の毛を剃ります。


また、検査の当日は、腕の血管に点滴を入れてから検査室へ向かいます。


○検査の実際○


・清潔に検査ができる部屋で行います。検査台で仰向けになり、減菌された布を被せます。


・大腿付け根に局所麻酔をします。麻酔時にチクッとしますが、後は痛みを感じません。


その後、大腿部の血管にカテーテルと呼ばれる細い管を通し、副腎静脈まで進め、


造影剤を注入したり、採血したりします。


○検査後の注意○


・針を刺した場所からの出血を防ぐため、大きな絆創膏で圧迫します。


絆創膏は翌日消毒しますので、剥がさないで下さい。


・検査終了後3時間は仰向けで寝たままとなり、針を刺した方の足を曲げたり起き上がったりすることは出来ません。


・安静後、トイレに歩いて行くことが出来るようになり、同時に尿の管も抜けますが、


歩きすぎることで再出血する可能性もでてきますので、


できるだけベッドでお過ごし下さい。


・体の中に入った造影剤を早く排泄するため、水分はできるだけ取るようにして下さい。


○検査におけるリスク○


・本検査は、非常に高度の技術を要する検査であり、特に右側の副腎静脈の位置や角度の個人差が大きいことから、


右の副腎静脈へのカテーテル挿入が成功しないことがあります。


・細心の注意をはらって行っても、副腎静脈の血栓症や血管損傷(傷つけてしまうこと)、


カテーテルを挿入した太ももの付け根の血腫(けっしゅ)の形成、


造影剤を副腎静脈に注入した際に血管の外へ漏れることによる


副腎の機能低下などが起きる危険があります。


***


↑入院時に頂いた資料より。


この説明がとても分かりやすいかと思うので、


あとはそれに私が感じたことを補足していこうと思います。


検査台に乗ってからは本当に不安しかなくて。


看護師さんに「怖いー!!!」って泣きついてました。笑


(検査室に入ってから助産師さんから看護師さんにバトンタッチしました)


可愛いエプロンつけてこれまた可愛い看護師さんに元気付けてもらったけど


それでも怖いもんは怖い。


恐らくその後、軽い麻酔でメンタルを楽にしてもらいました。


局所麻酔をして少ししてから管が入ったのですが、


麻酔がまだ効ききってなかったのか、管がぐにぐに入ってくるのが分かって違和感…(痛みはありませんでした)


執刀医の先生から「痛い?」と聞かれ、


「いや、痛くはないのですが、管が入る感じが…」と説明し、


一旦数分置いてから再び進めることに。


そうすると、次はもう無感覚だったので大丈夫でした。


そこからメンタル的な麻酔(語彙力)も効いてきてきたお陰で


AVSの間は半覚半眠状態に近かったと思います。


AVSの間は鼻に酸素の管?を入れてもらい、


深呼吸禁止で浅く呼吸するように言われました。


途中何度か鼠径部から出血があったみたいで、ちょくちょく止まって


他の先生も来てくれ拭いて下さったりしてました(多分)


基本的にAVSの間は近くに居るのは執刀医の先生のみ、


担当の内科医の先生方や看護師さんは、少し離れた場所から観察する…といった感じでした。


そして時折撮影が入る。的な(多分)


さすがに事細かにメモなどを取れなかったので、曖昧な記憶しか残っていない…


ちなみに私の副腎は両方とも探しやすかったらしく、非常にスムーズでした。


執刀医の先生が「これか?あったぞー!!!」なんて言ってくれるもんだから


なんだかこっちもガッツポーズしたくなる(あかんけど)


無事に終わって、助産師さんのお迎えが来るのを待っている間に執刀医の先生から


「どう?怖くなかったでしょ?^^」と言われ、


「はい!大丈夫でした!ありがとうございました☻」と言える程、


終わった後は余裕でしたw


ちなみに後から思うのですが、担当の内科医の先生は私の前方にいたと思うのですが、


アングル的に色々丸見えだったよなぁ…


いくら医者とはいえど、歳の近い男の内科の先生2人に色々見られていたと思うと


本当に恥ずかしくなります。←


***


病室に戻ってからは4時間ほどベッドで安静でした。


実はAVS自体よりも、こっちの方が遥かにしんどかった…。


寝返り打てないし、足は曲げれないし動けないし。


最終的に腰がえらいことになりました。


そして、その安静時間中に夕食タイムになってしまったので、


ちょこっとだけ身体を浮かせて夫に一口ずつ食べさせてもらいましたwww


夫がいなかったらごはん食べれなかった~感謝!


そこからしばらくして、助産師さんに右足付け根の圧迫を解除してもらって、


尿管を抜いて、


初回のトイレのみ一緒に歩いて付き添いになりました。


そこからは普通に戻れました(腰は痛かったけどね)


その後は特に痛みや出血もなく、非常にスムーズに回復していきました。


麻酔が切れてからも痛みは無かったです(私の場合)


あとは、造影剤や麻酔を抜くためにとにかく意識して水分をとりました。


(夫に紙パックのお茶を沢山買って来てもらってた。ストロー大助かり!)


個人的に麻酔が切れるタイミングで気分が悪くなる事が多いので


(親知らず抜いたりして麻酔する時とかね)


食事よりも水分摂取をとにかく意識!!!


それが良かったのか、気分が悪くなることもなく、無事に翌日退院できました◎


ざっとこんな感じです。


そして結果ですが、やはり両側過形成(特発性アルドステロン症)だったので、


お薬での治療が始まりました。


ちなみに結果を聞いた時に担当の医師に聞いたのですが


PA患者の場合、妊娠するとホルモンバランスが変わって血圧が下がる事が多いそうです。


本態性高血圧だと恐らく上がるかと思うので、そこはPAで良かった(?)と一安心。


そして出産後は高血圧に戻る、と。


なので医師からは妊娠ゴーサインが出ました☆笑


ただし、恐らくですが、個人のクリニックなどでのお産は厳しいかと思います。


今回お世話になった総合病院や、そのクラスの病院でないと…ね。


私の場合は、循環器の先生と連携していくのが良いかなぁ?と話しています。


いちばん最初にその話を聞いた時(確定診断直後の診察)は


え、総合病院しかだめなの?ごはんも美味しくないし味気ないし嫌だ。


と、正直思いました。


(周りの友達の出産ラッシュでSNSでお洒落なクリニックの雰囲気や食事をよく見ていたので)


ですが、私が偶然産婦人科病棟に入院して、


病棟内の施設を使用したり助産師さん達とすごく関わったりした結果、


もし産むなら敢えて自ら総合病院を選びたいな、と。


退院する前に、助産師さんに


「もし子どもを産むならここに戻ってきます!」と宣言したら


助産師さん涙ぐんでた…。


それくらい、皆さん手厚く介助して下さいました。


この先のことは正直分かりませんが、


思っていたよりも自分の未来は暗くないみたいです。


病気と闘う、ではなくて病気と共存して生きていく。


まだまだ手探り状態ですが、少しずつ経過などを記録していきます☺


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原発性アルドステロン症患者。30代。ゆるく色々更新していきます☻
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